新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置に係る助成金
投稿日:2021.09.10
新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置に係る助成金をご紹介します。
新型コロナウイルス感染症の影響が長引く中、
母性健康管理措置として、休業が必要とされた妊娠中の女性労働者が安心して休暇を取得し、
出産後も継続して活躍できる職場環境を整備した事業主が、
妊娠中の女性労働者に有給の休暇を取得させた場合に助成されるものです。
(正規雇用・非正規雇用問わず、年次有給休暇を除く。)
休暇制度導入のための助成金「新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇制度導入助成金」
【主な支給要件】
- 新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置として、医師又は助産師の指導により、休業が必要とされた妊娠中の女性労働者が取得できる有給の休暇制度(年次有給休暇を除き、年次有給休暇の賃金相当額の6割以上が支払われるものに限る)を整備すること
- 有給休暇制度の内容を新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置の内容とあわせて労働者に周知すること
- 令和3年4月1日から令和4年1月31日までの間に、当該休暇を合計して5日以上労働者に取得させること
【支給額】
1事業場につき1回限り 15万円
休暇取得支援のための助成金「両立支援等助成金 新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得支援コース」
【主な支給要件】
- 新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置として、医師又は助産師の指導により、休業が必要とされた妊娠中の女性労働者が取得できる有給の休暇制度(年次有給休暇を除き、年次有給休暇の賃金相当額の6割以上が支払われるものに限る)を整備すること
- 有給休暇制度の内容を新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置の内容とあわせて労働者に周知すること
- 令和2年5月7日から令和4年1月31日までの間に、当該休暇を合計して20日以上労働者に取得させること
【支給額】
対象労働者1人当たり 28.5万円 (1事業所当たり上限5人まで)
◆母性健康管理措置とは◆
1.男女雇用機会均等法における母性健康管理の措置
(1)保健指導又は健康診査を受けるための時間の確保(法第12条)
事業主は、女性労働者が妊産婦のための保健指導又は健康診査を受診するために必要な時間を確保することができるようにしなければなりません。
~健康診査等を受診するために確保しなければならない回数~
<妊娠中>
-
- 妊娠23週までは4週間に1回
- 妊娠24週から35週までは2週間に1回
- 妊娠36週以後出産までは1週間に1回
<産後(出産後1年以内)>
医師等の指示に従って必要な時間を確保する
(2)指導事項を守ることができるようにするための措置(法第13条)
妊娠中及び出産後の女性労働者が、健康診査等を受け、医師等から指導を受けた場合は、その女性労働者が受けた指導を守ることができるようにするために、事業主は勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講じなければなりません。
~指導事項を守ることができるようにするための措置~
-
- 妊娠中の通勤緩和(時差通勤、勤務時間の短縮等の措置)
- 妊娠中の休憩に関する措置(休憩時間の延長、休憩回数の増加等の措置)
- 妊娠中又は出産後の症状等に対応する措置(作業の制限、休業等の措置)
~「母性健康管理指導事項連絡カード」について~
事業主が母性健康管理の措置を適切に講ずることができるように、女性労働者に対して出された医師等の指導事項を的確に事業主に伝えるための「母性健康管理指導事項連絡カード」を利用しましょう。
(「母性健康管理指導事項連絡カード」の活用についてはこちら)
(3)妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止(法第9条)
事業主は、女性労働者が妊娠・出産・産前産後休業の取得、妊娠中の時差通勤など男女雇用機会均等法による母性健康管理措置や深夜業免除など労働基準法による母性保護措置を受けたことなどを理由として、解雇その他不利益取扱いをしてはなりません。
~不利益な取り扱いと考えられる例~
-
- 解雇すること
- 期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしないこと
- あらかじめ契約の更新回数の上限が明示されている場合に、当該回数を引き下げること
- 退職又は正社員をパートタイム労働者等の非正規社員とするような労働契約内容の変更の強要を行うこと
- 降格させること
- 就業環境を害すること
- 不利益な自宅待機を命ずること
- 減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと
- 昇進・昇格の人事考課において不利益な評価を行うこと
- 派遣労働者として就業する者について、派遣先が当該派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を拒むこと
2.労働基準法における母性保護規定
(1)産前・産後休業(法第65条第1項及び第2項)
産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)<いずれも女性が請求した場合に限ります>産後は8週間女性を就業させることはできません。(ただし、産後6週間を経過後に、女性本人が請求し、医師が支障ないと認めた業務については、就業させることはさしつかえありません。)
(2)妊婦の軽易業務転換(法第65条第3項)
妊娠中の女性が請求した場合には、他の軽易な業務に転換させなければなりません。
(3)妊産婦等の危険有害業務の就業制限(法第64条の3)
妊産婦等を妊娠、出産、哺育等に有害な業務に就かせることはできません。
(4)妊産婦に対する変形労働時間制の適用制限(法第66条第1項)
変形労働時間制がとられる場合であっても、妊産婦が請求した場合には、1日及び1週間の法定時間を超えて労働させることはできません。
(5)妊産婦の時間外労働、休日労働、深夜業の制限(法第66条第2項及び第3項)
妊産婦が請求した場合には、時間外労働、休日労働、又は深夜業をさせることはできません。
(6)育児時間(法第67条)
生後満1年に達しない生児を育てる女性は、1日2回各々少なくとも30分の育児時間を請求することができます。
(7)罰則(法第119条)
上記の規定に違反した者は、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。
その他、新型コロナウィルスの影響のため、休暇の付与、時短勤務、テレワークなどを実施した場合には
助成金が受けられる場合があります。
就業規則や制度の構築・運用についてもお気軽に当法人担当者へご相談ください。
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