【安全衛生メモ】新入社員への安全衛生教育【安全衛生メモ】新入社員への安全衛生教育

新年度が始まり、各企業にも新入社員が多く入ったことと思います。

この春が社会人デビューの新入社員は、現場の知識、技術、技能だけでなく、

安全意識も未熟なため、労働災害の発生を防止するためには適切な安全衛生教育を行う必要があります。

 

新入社員が入社すると、会社の事業内容から具体的な仕事の方法まで、さまざまな教育が行われます。

安全衛生教育もその一つです。

製造業や建設業では「転落防止」「転倒防止」など教育内容が具体的であるのに比べ、

いわゆるホワイトカラーの業種では、安全衛生教育そのものは実施されていない、あるいは「何をやったらいいかわからない」と言われます。

 

デスクワークでも安全衛生教育は必要

安全衛生教育の具体的な内容については、以下の8項目が規則で定められています。

 

  1. 機械等、原材料等の危険性または有害性及びこれらの取扱い方法に関すること
  2. 安全装置、有害物抑制装置または保護具の性能及びこれらの取扱い方法に関すること
  3. 作業手順に関すること
  4. 作業開始時の点検に関すること
  5. 当該業務に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防に関すること
  6. 整理、整頓及び清潔の保持に関すること
  7. 事故時等における応急措置及び退避に関すること
  8. 前各号に掲げるもののほか、当該業務に関する安全または衛生のために必要な事項

 

事務作業中心のオフィスワークや飲食店においては、1~4の教育は省略できるとされています。

では、5~8の教育は、どのように行えばいいでしょうか。

 

まず、「5.当該業務に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防に関すること」については、

パソコンの長時間使用や立ちっぱなし・座りっぱなしによる腰痛、運動不足による生活習慣病などについて行いましょう。

 

「6.整理、整頓及び清潔の保持に関すること」については、

整理整頓は、清潔保持の観点だけでなく、災害時の危険防止・避難行動の妨げにならないためにも大切な課題です。

 

「7.事故時等における応急措置及び退避に関すること」については、

災害時の避難ルートの確認や適切な初期消火活動など、またオフィス周辺の状況把握(近くに工場がある、交通量の多い道路があるなど)を取り入れるようにしましょう。

 

最後に「8.前各号に掲げるもののほか、当該業務に関する安全または衛生のために必要な事項」については、企業の内情に即した教育を盛り込みましょう。

例えば、「入寮する社員が多いので生活リズムを崩さないように」「社員の男女比がアンバランスなので、パワハラ・セクハラの相談窓口の紹介」などがあります。

 

安全衛生教育は「健康投資」

最近では、パワハラ対策が企業の義務になったり、メンタルヘルスに対する理解が高まったり、

企業が従業員の健康に投資することで企業価値を高めていく「健康投資」の概念も生まれています。

 

運送業や建設業、製造業などの機械や危険性のあるものを扱うことが多い業種に限らず、

幅広い業種で安全衛生教育を行うことが求められてくるでしょう。

これからの企業を支えていく新入社員の健康を守っていくことも、健康投資の大事なポイントです。

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