【相談の現場から】男性労働者の育児休業について【相談の現場から】
男性労働者の育児休業について

令和3年6月に育児・介護休業法が改正され、令和4年4月1日から段階的に施行されることとなりました。
労働者の意識の変化、政府の広報活動やメディアでの報道などの影響か、
昨今、男性の育児休業についてのご質問、ご相談が増えているように感じられます。
今回は、寄せられたご質問を受け、育児休業制度や給付の概要などをご紹介します。

現行の育児・介護休業法に定められた育児休業制度

子が1歳(一定の場合は、最長で2歳)に達するまで 原則として1子につき、1回限り(双子以上の場合も1子とみなす)

 ◎パパ・ママ育休プラス

父母ともに育児休業を取得する場合は、子が1歳2か月に達するまでの間の1年間申出により育児休業の取得が可能

 ◎パパ休暇

産後8週間以内の期間に育児休業を取得した場合は、特別な事情がなくても申出により再度の育児休業取得が可能

【POINT】
   ・育児休業はパパもママも取得できる制度です
    性別にかかわらず、育児休業は「育児・介護休業法」に基づく労働者の権利ですので、
    申出があった場合は、法律に定められたとおりに認めなければなりません。
   ・ママの出産後8週間以内の期間内に、パパが育児休業を取得した場合には、
    休業から復帰後、再度、育児休業を取得できます。
   ・両親がともに育児休業を取得する場合、原則子が1歳までの休業可能期間が、
    子が1歳2か月に達するまで(2か月分はパパ(ママ)のプラス分)に延長されます。

 

パパ・ママ育休プラス、パパ休暇リーフレット(厚生労働省)

 

育児休業給付金について

 育児休業給付は、雇用保険被保険者が1歳又は1歳2か月(支給対象期間の延長に該当する場合は1歳6か月又は2歳)未満の子を養育するために育児休業を取得した場合に、休業開始前の2年間に賃金支払基礎日数11日以上ある完全月又は育児休業 開始日が令和2年8月1日以降であって、育児休業開始日以前の2年間に賃金支払基礎日数の11日以上の完全月が12か月に満たない場合は、賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上である完全月が12か月以上あれば、受給資格の確認を受けることができます。
 その上で、
・育児休業期間中の各1か月ごとに、休業開始前の1か月当たりの賃金の8割以上の賃金が支払われていないこと。
・就業している日数が各支給単位期間(1か月ごとの期間。)ごとに10日(10日を超える場合にあっては、就業している時間が80時間)以下であること。(休業終了日が含まれる支給単位期間は、就業している日数が10日(10日を超える場合にあっては、就業している時間が80時間)以下であるとともに、休業日が1日以上あること。)の要件を満たす場合に支給されます。

 ◎支給対象期間の延長について

保育所等における保育の実施が行われないなどの理由により、
子が1歳に達する日後の期間に育児休業を取得する場合は、
その子が1歳6か月に達する日前までの期間、育児休業給付金の支給対象となります。
さらに、子が1歳6か月に達する日後の期間に、保育所等における保育の実施が行われないなどの理由により、
育児休業を取得する場合は、その子が2歳に達する日前までの期間、育児休業給付金の支給対象となります。

 ◎支給額

育児休業給付金の支給額は、支給対象期間(1か月)当たり、
原則として休業開始時賃金日額×支給日数の67%(育児休業の開始から6か月経過後は50%)相当額となっています。

【POINT】
   ・育児休業給付はパパもママも受けられる制度です。
   ・ママの出産後8週間以内の期間内に、パパが育児休業を取得し、再度、パパが育児休業を取得した場合
    初回の育児休業も2度目の育児休業も要件を満たしていれば、どちらも給付が受けられます。
   ・パパママ育休プラスの期間も要件を満たしていれば、給付の対象となります。
   ・短期間の育児休業の場合(1か月に満たない育児休業でも(1日でも))、
    要件を満たしていれば育児休業給付の対象となります。

 

育児休業給付リーフレット(厚生労働省R3.08)

 

まとめ

冒頭でも述べましたように、育児介護休業法が改正され、令和4年から順次施行されます。
ニーズの高まりに応じて、今後も法改正が続くと予想されます。
近年、採用活動の場面でも、育児休業の取得実績や両立しやすい風土について、
求職者からよく問われるようになりました。
仕事と家庭、私生活の両立のしやすい就労環境を整備することは、
人材の確保や企業の社会的責任を果たす上で、今後もますます重要になるでしょう。
法改正を機に、職場の風土や利用しやすい制度・環境づくりを検討されてみてはいかがでしょうか。

また、育児休業等、家庭と仕事の両立を積極的に支援する事業主は助成金が受けられることもあります。
その他、育児休業制度の詳細、育児休業給付の申請手続き等については、当法人担当者にお気軽にご相談ください。


<関連リンク>

厚生労働省ホームページへ

育メンプロジェクトホームページへ

育メンプロジェクトホームページへ

このサイトを広める

お問い合わせ

フクシマ社会保険労務士法人は、長年の経験と裏打ちされた実績、数多い労務士による多面的なアプローチで、お客様をトータルサポートいたします。
ぜひ一度ご相談ください。