「五月病」とメンタルヘルスケア「五月病」とメンタルヘルスケア
投稿日:2022.04.28
新年度の慌ただしさも少し落ち着き、大型連休が近づいています。
仕事や生活のリズムができつつある一方で、目まぐるしい日々の中で少しずつ溜まった疲れが
心身ともに出てくるタイミングでもあります。
連休明けから「やる気が出ない」「ふさぎこむ」「会社・学校に行くのが億劫になる」「食欲低下」などの症状に現れる人がいます。
これを俗に「五月病」といいます。
「五月病」は正式な医学用語ではありません。
医療機関では「適応障害」「軽度のうつ」といった診断名がつけられることもあります。
五月病の原因
五月病の原因は一つではなく、また、人によっても症状は様々です。
・新しい環境についていけない
新社会人や転勤・転職等で新しい職場環境となり、慣れない仕事内容や新しいルールになじめないことが
ストレスになることがあります。
特に新社会人は、学生時代に比べて環境が大きく変わるため、五月病にかかりやすい傾向にあります。
・新しい人間関係をうまく築けない
新しい配属先や転職先で、「上司や同僚に相談しづらい」「できあがった人間関係に溶け込めない」
「仕事の進め方がわからない」など、順応できないことがストレスとなります。
・理想と現実のギャップが埋められない
「自分のキャリアや経験が生かせない」「スキル不足を痛感する」など、イメージが違いすぎることで感じる
ギャップがストレスになります。
これは新社会人に限らず、日常的に仕事を抱えた社会人にも起こりうることです。
・次の目標を見いだせない
いわゆる「燃え尽き症候群」の状態になることです。
新社会人の場合、入社が一つのゴールになってしまい新たな目標を見いだせなくなっています。
五月病にならないために
「五月病」は、程度の差はあれど誰もがかかりうるものです。
セルフケアを取り入れながら、心の健康に向き合っていきましょう。
・会話でストレス解消
家族・友人や同僚とのコミュニケーションの機会は大切にしましょう。
他愛もない話でもストレス解消になります。
食事を一人でとる「孤食」はなるべく避け、
感染症対策をしながら会話と食事を楽しめる機会を増やしましょう。
・栄養バランスのとれた食事を心がけよう
不規則な食生活、偏った食事内容は脳内の栄養不足を招き、
特に感情をコントロールする神経伝達物質「セロトニン」が不足すると言われています。
セロトニンを分泌するにはアミノ酸・ビタミンB群・炭水化物が必要です。
これらをバランスよく摂るためにも「一汁三菜」を心がけた食事を意識しましょう。
・質の良い睡眠
疲労回復には睡眠が重要です。
睡眠の質を上げるために、「起床・就寝のリズムを整える」
「夕食は寝る2時間前までに」「寝る前にスマートフォンやパソコンを見ない」などの習慣を身につけましょう。
・オフの日は仕事もオフ
五月病になりやすい人は、オフの日も仕事のことを考えることが案外多いようです。
オフの日は自分の好きなことに時間を費やし、仕事のことは忘れましょう。
軽いスポーツ、特にウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動でも、セロトニ ンは分泌が促されます。
五月病になってしまったら
どれだけ予防しても五月病になってしまうこともあるでしょう。
五月病の主な症状は一過性のものであることが多く、適度な休息で改善されることがほとんどです。
しかし、症状が長引いている・苦痛の強さが増しているなど、仕事に支障が出るような重症であれば
医療機関を受診しましょう。
また、相談できる友人や同僚がいない場合は、公的な窓口も利用してみましょう。
従業員のメンタルヘルスケアや休暇制度、メンタルヘルスケアの取組に対する補助金など、
ご相談はお気軽にお寄せください。
<参考リンク>
「4月 未然に防ぐ5月病対策」(協会けんぽHP)
こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~(厚労省HP)
働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト こころの耳(厚労省HP)