2022年5月の記事一覧
【Topics】労働保険の年度更新期間が6月1日より始まります
今年も労働保険の年度更新の時期が近づいてきました。
令和4年度の労働保険の年度更新期間は、6月1日(水)~7月11日(月)です。
労働保険の年度更新とは
労働保険の保険料は、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間(保険年度)を単位として計算され、
その額はすべての労働者(雇用保険については被保険者)に支払われる賃金の総額に、その事業ごとに定められた保険料率を乗じて算定することになっています。
労働保険では、保険年度ごとに概算で保険料を納付し、保険年度末に賃金総額が確定した後に清算する方法がとられています。
そのため、事業主は、前年度の保険料の清算(確定保険料の申告と納付)と新年度の保険料の納付(概算保険料の申告と納付)の手続きが必要となります。
これが「年度更新」の手続きです。
年度更新の申告方法・留意点など
年度更新は、申告書を作成し、その申告書に保険料等を添えて、金融機関、所轄都道府県労働局または労働基準監督署に、6月1日から7月10日までの間(土日祝除く・令和4年は7月11日まで)に提出する必要があります。
労働保険料の算定については、その事業に使用されるすべての労働者に支払った賃金総額に、その事業に応じて定められた保険料率を乗じて算定し、
一般拠出金の額については、賃金総額に一般拠出金率(1000分の0.02)を乗じて算定を行い、申告・納付を行います。
そのため、「賃金総額」を正確に把握することが必要となります。
「労働者」とは、事業に使用される者で賃金を支払われる者をいいます。
ただし、雇用保険の被保険者とならない者に対して支払った賃金がある場合は、労災保険に係る保険料と雇用保険に係る保険料とを区別して、それぞれ算定したものの合計が労働保険料となります。
「賃金」とは、名称の如何を問わず労働の対償として事業主が支払うすべてのものをいい、労働協約・就業規則・労働契約などにより、その支払いが事業主に義務付けられているものです。
保険率・一般拠出金率
・労災保険率および一般拠出金率については、平成30年度から変更ありません。
労災保険率についてはこちら
一般拠出金率についてはこちら
・雇用保険率については、令和4年4月から9月と、令和4年10月から令和5年3月までの期間で適用される保険料率が異なります。
雇用保険率についてはこちら
保険料・一般拠出金の納期限
<参考リンク>
労働保険制度(制度紹介・手続き案内)(厚生労働省HP)
令和4年度労働保険の年度更新期間について(厚生労働省HP)
【5月の安全衛生メモ】熱中症のリスクは5月から
5月に入り、日中の気温が25℃を超える「夏日」となる日も増えてきました。
「まだ5月なのに暑い!」と感じている方もいるのではないでしょうか。
すると、この時期から心配されるのは「熱中症」です。
熱中症といえば「暑い夏の日に炎天下の中で起こるもの」というイメージですが、実は5月~6月から熱中症による搬送事例が増えてきます。
熱中症とは
「熱中症」とは、高温多湿な環境下において、体内の水分および塩分のバランスが崩れたり、循環調節や体温調節などの体内の重要な調整機能が破綻するなどして発症する障害の総称です。
症状としては、めまい・失神、筋肉の硬直、大量の発汗、頭痛・不快感・嘔吐・倦怠感、意識障害・痙攣などが現れます。
熱中症にかかりやすい気象条件としては、①急に気温が上がる日②風が弱く湿度が高い日の2つです。
5月から①②の条件となる日が増えてくるため、注意が必要です。
職場での熱中症
厚生労働省が公表した「令和3年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(令和4年1月14日時点速報値)によれば、
職場での熱中症による死亡者および休業4日以上の業務上疾病者の数は、令和3年に547人となりました。うち死亡者は20人となっています。
2017年~2021年の業種別の熱中症死傷者数をみると、建設業、次いで製造業、運送業で多く発生していました。
また、死亡者数では、建設業、次いで製造業、警備業、商業の順に多く発生していました。
入職直後で暑熱順化※1が不十分とみられる事例や、WBGT値※2の実測がなく、必要な措置が講じられていなかった事例もありました。
※1…体が暑さに慣れること。体内で作られた熱を、汗による気化熱や体の表面からの熱放散により体温を調節するサイクルをすすめることが重要。
※2…気温、湿度、輻射(放射)熱から算出される暑さの指数。運動や作業の度合いに応じた基準値が定められている。
STOP!熱中症 クールワークキャンペーン
厚生労働省は、職場における熱中症予防対策を徹底するため、5月から9月まで「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施しています。
全ての職場において、基本的な熱中症予防対策を講じるよう広く呼び掛けるとともに、①初期症状の把握から緊急対応までの体制整備②暑熱順化が不足している労働者への対応③WBGT値を把握し、それに応じた適切な対策を講じることなどの徹底を図っています。
熱中症予防のためにできること
- 運動や入浴で汗をかく体を作る…汗をかける体になっていないと体内に熱が溜まりやすくなります。適度な運動やお風呂のお湯に浸かることで、汗をかく体を作りましょう。
- こまめな水分補給…のどが渇いていなくても水分をとる習慣をつけましょう。のどの渇きを感じてから大量に飲むのではなく、こまめにスポーツドリンクや塩飴などを補給するよう心がけましょう。
- 服装による体温調節…朝晩と昼の気温差が大きいことも、体温調節機能を狂わせます。体温調節のしやすい脱ぎ着しやすい服装で、熱を溜めない工夫をしましょう。
- 日常の健康管理…しっかりと食事をとり、十分な睡眠をとりましょう。多量の飲酒による二日酔い状態や朝食の未摂取、体調不良での業務は熱中症のリスクが高まります。
気象庁によると、今年の6~8月の平均気温は全国的に例年より高いと予想されています。
暑さ対策の職場環境を整えることは事業者の責務と言えますが、働く人ひとりひとりにもできる対策があります。
熱中症のリスクが更に高まる7・8月に向けて、5月から夏を乗り切る丈夫な体を作っていきましょう。
<参考リンク>
・「学ぼう!備えよう!職場の仲間を守ろう!職場における熱中症予防情報」(厚生労働省HP)
・熱中症予防のための情報・資料サイト(厚生労働省HP)
【広島県】中小企業等奨学金返済支援制度導入応援補助金について
広島県は、働き方改革に取り組み、従業員の奨学金返済に対する支援制度を設ける中小企業等を支援することにより、
若年者を中心とした人材の確保と定着を促進することを目的に「中小企業等奨学金返済支援制度導入応援補助金」の公募を開始しています。
補助事業の概要
働き方改革に取り組み、県内に本店・本社を置く中小企業等が、
その従業員を対象とした奨学金返済支援制度を有し、採用3年目までの従業員にその制度に基づいて支払った手当等に対して、その額の一部を最長3か年度にわたり補助されます。
補助率
従業員に対する給付額の1/3以内(上限:従業員1人当たり6万円/年度)
※働き方改革に取り組み、定着させている企業等には 給付額の1/2以内(上限:従業員1人当たり10万円/年度)
補助申請者の対象要件
次の①~⑩の条件を満たすことが必要です。
①中小企業であること
②働き方改革またはそれに準ずる取り組みを行っていること
③従業員の奨学金等の返済を支援する社内制度を有すること
④広島県内に本店・本社を有するか、同等の機能を有すること
⑤専業分野が、日本標準産業分類の大分類「公務」以外に属すること
⑥次のいずれかに該当しないこと
ア.発行済株式の総数または出資価額の総額の1/2以上が同一の大企業またはその支配下にある企業の所有に属していること。
イ.役員の総数の1/2以上を大企業の役員または職員が兼ねていること
ウ.国または地方公共団体が出資または経営に関与していないこと
⑦申請日から過去3年間に労働関係法令等に違反する重大な事実がないこと
⑧次のいずれかに該当する者が、申請者の経営に関与していないこと
ア.暴力団員
イ.暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
ウ.自己・自社もしくは第三者の不正な利益を図る目的または第三者に損害を与える目的をもって暴力団または暴力団員を利用している者
エ.暴力団または暴力団員に対して資金等を提供し、または便宜を供与するなど直接的もしくは積極的に暴力団の維持運営に協力し、または関与している者
オ.暴力団または暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有している者
カ.暴力団または暴力団員であることを知りながらこれらを利用している者
⑨県税について未納がないこと
⑩令和4年度において、すでに本助成金に係る同一年度の新規交付決定を受けていないこと
補助対象となる支援制度
次の1.~5.のすべての条件を満たすことが必要です。
1.申請日時点において、社内規定の形で明文化され、従業員に周知されていること
2.通貨により支給するものであること、または奨学金等の債権者に対して補助事業者から代理返済を行うものであること
3.最低年1回以上の給付があること
4.支援制度を活用した従業員に対して、退職時に支給額の全部または一部の事業者への返還義務を課していないこと
5.補助対象期間以前から在籍している従業員の場合、給付に伴い、本給その他の手当の減額が行われていないこと
補助対象期間
交付決定日から、最長で令和7(2025)年3月31日まで
※なお、交付決定日前の給付は、補助対象となりませんのでご注意ください。
ただし、令和4年7月29日(金)17時までに申請書を提出する場合に限り、令和4年4月1日から交付決定日の間の給付も補助申請できます。
その他、詳しい要件や必要書類等はこちら(令和4年度 「中小企業等奨学金返済支援制度導入応援補助金」公募要領 )
就業規則の見直しや働き方改革に関する取り組みについてのお問い合わせは、
お気軽に当法人担当者または以下のお問い合わせフォームまでお寄せください。
<参考リンク>
※続報※【令和4年度】エイジフレンドリー補助金について
令和4年度の実施要領が決定しましたのでご案内します。
申請受付期間
令和4年5月11日(水)~10月末まで
※昨年度は、当初の申請期間より約2週間締め切りが前倒しとなりました。
申請をご検討の事業者様は、最新の情報にご注意ください。
エイジフレンドリー補助金の目的
エイジフレンドリー補助金とは、高齢者が安心して働くことができるよう、中小企業事業者による職場環境の改善等の安全衛生対策の実施に対して行われるものです。
特に、社会福祉施設、医療保健業、旅館業や飲食店等の接客サービス業では、高齢者が就労する際に利用者等と密に接する業務での新型コロナウイルス感染を防止するため、対人業務を簡素化できる設備改善や作業改善が望まれます。
対象事業者
1.高年齢労働者(60歳以上)を常時1名以上雇用している
※対策を実施する業務に就いていること
2.中小企業事業者 ※要件あり
3.労働保険に加入している
対象となる施策
- 身体機能の低下を補う設備・装置の導入
- 働く高齢者の健康や体力の状況の把握等
- 高年齢労働者の特性に配慮した安全衛生教育
- その他、働く高齢者のための職場環境の改善対策
補助金額
補助率:1/2
上限額:100万円
この補助金は、審査の上交付を決定します。
また、交付決定額が予算額に達した場合、申請期間中であっても受付を締め切ります。
詳しい情報はこちらから⇒「令和4年度エイジフレンドリー補助金」のご案内(厚労省HPより)
エイジフレンドリー補助金についてのお問い合わせはお気軽にお寄せください。
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